10.17 ミーティング@CARITAS

 

今日は、ストリートチルドレンの子どもたちを

支援している団体CARITASのディレクター(フランス人)と

JICAの現地職員の方と3人での打ち合わせ。

 

ストリートチルドレンの現状を聞いて、あまりにも

ショッキングな内容で呆然としてしまった。

 

ミーティングは私のフランス語レベルが低いので、

全て英語でしてくださった。

(はやくフランス語出来るようにならなきゃ。)

 

以下はミーティングで教えて頂いた内容、

話し合った内容をまとめたものである。

 

① Caritasについて

 現在、6名のボランティアスタッフ(外国籍)と6名の現地職員で運営されている。約700名(6-18years)の子どもが登録されており、その内400名が頻繁に施設を利用する。子どもの内訳は80%がエチオピアからの流入者、10%はソマリア人から、そして10%はジブチ人である。また、全体のうち15%は子女である。

子どもたちは登録の際に、4つのチェックを受ける。

 

  1. ストリートチルドレンであるかどうか-Street children
  2. 捨て子で身寄りがない子どもかどうか- Abandon
  3. 貧困家庭の子どもかどうか- Poverty
  4. ドラッグや性的虐待などに侵されていないかどうか- Venerability

 

これらの項目をソーシャルワーカーがチェックし、その後登録可か否かを判断する。

 

② Caritasの活動内容

 

1. Daily Basic Services (生活サポート)

生きていくために必要な衣食を提供。食事一日三回。シャワーやメディカルケアも同時に提供している。

2. Reintegration(社会復帰サポート)

彼らが本来の人間らしい生き方(try to be a human being)ができるように、様々な団体と共同してワークショップを開催している。例えば道徳教育、英語、フランス語、ハンドクラフト、サッカーなどその種類は多岐に渡る。現在、ハンドクラフトのワークショップで身につけた技術で物(ブレスレット)を作り販売し、物乞いをせずに生きていける術を身につけている子どもたちもいる。

また、フランス語や英語などを学び、ある一定のレベルに到達すると、私立学校に入学(特別枠)させることがある。(公立学校は出生証明書などの書類が必要なため不可)

現在行なっているワークショップの一つにspecific female workshopがある。週に3度、女性の医師や看護師による女子に特化したワークショップを実施している。女子に対しコンドームの使用方法などを指導しているということだ。

 

③ 子どもたちについて

 

様々なバックグラウンドを持つ子どもたちがここCaritasやってくる。会議中に出会った5歳の女の子は、母親がレイプされた際、それを間近で見ており(当時2歳)、彼女もその後性的暴行にあった。また、幼い頃に父親から性的虐待を受けた子や、薬物中毒の子どもたちが多数いる。薬物中毒の子どもたちは路上で物乞いをし、ほとんどのお金は薬物代として消える。彼らが吸ってるのは、糊を固めたもので、それらを1つ50フランで購入し使用する。その影響で、すぐに息が荒くなる、目が虚ろになる、呂律が回らない子どもも過去にはいたそうだ。

通い始めの頃は、精神的に不安定な子どもたちが多い。自己防衛のためにナイフを持っていたり、石を投げる子どもも少なくない。他者に暴力を振るう子どももいる。その際は外に出すなどの罰を与える。しかし、彼らがCaritasで過ごす中で、人の優しさに触れ、自身が保護され、守られているということを認識し安心すると、彼らの暴力行為は少しずつなくなっていく。フランシスコさんが3年前ここへ来た時は、暴力事案が多数あり、非常に大変だったそうだが、ここ3年間でかなり減ったそうだ。

 

④ Caritasの目標

 彼らの目標は全ての子どもたちがここから出ていき、彼らがReintegration(社会への復帰)できることが最大の目標である。

そのためには、この施設の利用者の8割を占めるエチオピアからの流入者を自国に返すことが必要である。彼らはジブチにいても難民登録ができていないため、社会保障等を受けることができない。昨年は23人の子どもたちをエチオピアへ送り出した。

 路上生活から彼らを脱却させることも大きな目標の一つである。

彼らの問題は決して、シンプルではない。特に女の子の問題は非常に深刻で複雑である。今日やって明日変わることは一つもない。時間をかけて献身的に彼らと向き合っていく必要があり、それには人が必要である。

 

⑤ 私たちができる事

私たち(JOCV)にできる事は、主に二つである。一つは彼らと共に時間を過ごす事、そしてもう一つは、何らかのワークショップを開催する事である。一つ目においては、彼らは人と接する事で、安堵感を得る事ができるだけでなく、自身が社会から見放されていたと思っている子どもたちが、誰かに見守られているのだという事を実感できる。二つ目は様々な経験を積むことで、もう一度人としての尊厳や平等という基本的な価値を取り戻し、健康で充実した生活を取り戻すことを目的としている。

 

 今後、JOCVの中で有志を募り、私たちに何ができるのかを考えていきたい。