8.6 難民の子どもたち

今日は先輩隊員の方の活動を

見せてもらいにとある施設へ行って来た。

 

先輩隊員の配属先は国際NGOで、

難民の子どもたちを対象に週に一度

「学ぶ場」を提供している。

 

今日はその様子を見学させてもらった。

 

このNGOの施設は、イエメンからの

難民が多く住む地域にある。

 

今日は10人弱の子どもたちが参加した。

 

彼らの年齢は4歳から10歳くらいの子どもたち。

 

今日は主に数字、英語、フランス語の

基礎学力を身につける授業をしていた。

 

現地の職員と先輩隊員がT.Tで授業を展開する。

 

職員も難民としてこの国へ来た人たちだ。

 

子どもたちは簡単なフランス語しか

わからないので、詳しい説明の時は

現地の職員の人がソマリ語で子どもたちに指示を伝える。

 

f:id:onkumari:20180816054312j:plain

 

簡単な1~10の数字をフランス語で言ったり、

アルファベットを練習する時音と文字が結びついていない

子どもが多いように感じた。

 

難民の子どもたちは今年から

ジブチ教育省によって一般の

公立学校への入学が許可された。

 

私は今まで難民の子どもたちが

ジブチの公立学校への入学を

認められていなかかったことに驚いた。

 

しかし今回の方針では1年生の新入生からしか

入学が許可されないため、

現在2~5年生の子どもたちは、

学校に入学することができないらしい。

 

これはかなり深刻な問題だ。

彼らに学習環境をどう与えていくのか。

大きな課題である。

 

ここ、ジブチにはアリアデ・ホルホル・オボック

の3つの難民キャンプがある。

 

教育省とアメリカ大使館、国連難民高等弁務官(UNHCR)

その他難民支援団体の協働で、

この3つのキャンプでの難民教育を教育省が主管支援する

ことになったそうだ。

 

難民児童は英語とアラビア語で教育を受ける予定だ。

 

すでに去年の9月から1年生のクラスの授業実施が

開始され、今年からは6年生(中学1年生)が開始されている。

 

この施設に週に1度来る子ども達は、

難民キャンプに住む子ども達ではないが、

今まで公立の学校に行けなかった子ども達が多くいる。

 

初めは緊張していた子どもたちも、

すぐに慣れ、ソマリ語で話しかけてくれた。

 

みんなとっても元気いっぱいで

日本の子どもたちと何ら変わりはない。

 

でも彼らが置かれている状況はかなり深刻だ。

 

彼らの人生はこれからどうなっていくのだろうか。

 

祖国を離れ、見知らぬ土地で

見知らぬ人たちと一緒に暮らして

いかなければいけない。

 

フランス語の壁。

 

文化の壁。

 

去年、一昨年と二年間トルコに

逃れるシリア難民支援活動に携わっていた。

 

シリアから逃れてきた子どもたちにも

言葉の壁、文化の壁が立ちはだかる。

 

せっかく戦場から逃れてきても

また彼らには苦難が襲う。

 

どこまで苦しまなければいけないんだろう。

 

日本ができること。

私たちができることって何だろう。

 

日本政府の中東支援策の一環として

2017年ようやく留学生受入事業が開始された。

 

JICAは、技術協力の枠組みの中で、

ヨルダン、レバノンに難民として逃れている

シリア人の若者を対象に、2021年までに

5回に分けて最大100名の留学生を

日本に受け入れる予定だ。

 

彼らが生きやすい環境を私たちは提供できるのか。

 

宗教も食習慣も言葉も違う国。

 

シリアダマスカス大学で

日本語学科を卒業し現在日本に住む友人は

 

「日本語が話せても辛い状況なのに、話せないシリア人が日本の環境で生きるのは想像しただけでも恐ろしい。」

 

と言っていた。

 

確かにそうだ。

 

身体的な安全を確保できても

精神的にまいってしまう。。。

 

日本では「シリア人」って

聞くだけで逃げていく人も

少なくはないと言っていた。

 

「だから僕はシリア人って言わない。」

って。

 

胸を張って自分の国を言えない環境を

私たち日本人が作り出しているのだ。

 

難民を受け入れても受け入れる

日本側にその体制が整っていないというのは

非常に大きな問題だ。

 

法務省によると、2017年の

難民認定申請者数は1万9628人だった。

 

それに対し、認定者数はたったの20人。

 

あまりにも少ない数にショックを隠しきれなかった。

 

UNHCRによれば2015年末時点で、

ドイツは11万6000人の難民を受け入れているそうだ。

 

 

日本の難民受け入れ数は少ないとは言えど、

これから入ってくる難民留学生たちが

生きやすい社会を私はつくっていきたい。

f:id:onkumari:20180816054400j:plain

英語の歌をギターに合わせて歌う難民の子どもたち。とってもいい笑顔。